シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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ドヨンといえば・・・

 最近、日本ではすっかりソ・ドヨンのようですが、「様」から「氏」へ格下げになったとはいえ、私にとってはやはりチョン・ドヨンしかいないわけで・・・(*^^*)

 カンヌ映画祭主演女優賞受賞、祝賀でゴザイマス(『密陽』の演技による)。

 今思えば、1997年の初夏、ちょうど今頃、NAGOYAアジア文化交流祭のゲストとして来日していたカン・ウソクから当時製作中だった『接続』の話を聞いたのが、彼女とのご縁の始まりですかねー。以来、苦節10年、ついにこの日が来ましたっ!!(*^^*)

 1990年代後半、身の回りの女優ファン勢力図は、ウナラー7割、ジンシリアン2割、残りがコ・ソヨン族+その他という感じで、ドヨニストは私一人で孤軍奮闘だった訳ですが・・・(*^^*) ふっふっふ。ふぉーふぉっふぉっふぉ。(*^O^*)

 やっぱ、オレって映画を見る目もあるけど人を見る目もあるなー、と一人悦に入ってしまった朝でした。え? 自己満足? はい、そうです。いいでしょ、それくらい。ふふん。

 「ドヨニスト」という言葉の(たぶん)創設者として、また勤続10年のドヨニスト一号として、誰か表彰してくれないかしら?(笑) うひょ~~~
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by seochon | 2007-05-28 08:40

不親切なチャヌクさん

 韓国で2005年末に出版された『パク・チャヌクのモンタージュ』という本の邦訳の校正を始める。評論家でもあるパク・チャヌク自身のエッセイと、『JSA』+復讐三部作を中心とした製作日誌・インタビューからなる300頁ほどの書籍。先日、別件で出版社に電話をしたら、その電話口で訳文のチェックを依頼された。映画の本なので、専門用語や人物名・作品名など固有名詞が多い、特に外国映画は、英題、韓国題、邦題、それぞれに違うケースがあるので、そこを重点的にやって欲しいと。

 300頁ならすぐ終わるだろうと安請け合いしたは良いけれど、さすがに才人パク・チャヌク。映画も書籍も音楽も、ありとあらゆる分野に造詣が深く、故にチェックもなかなか時間がかかる。用語のチェックだけとはいえ、当方、韓国語もある程度はできてしまうものだから、訳が気になる部分は原書をざっと読む。字幕チェックの時の癖で、むずがゆい日本語があると、ついつい赤入れしたくなったりもする。

 内容はなかなか興味深い。韓国を代表する監督の頭脳がどのように動いているのかが垣間見られる。親交のあるスンワン&スンボム・ブラザース、ミンシク&ジテなどとの交友録的な部分もあり、そう言った意味での資料的価値もある。

 読んでいて、あっそうか!と思ったのは、彼が大学で哲学を勉強していたという部分。ちょうど、アップしたてのカツヲうどんさんのレビュー(本文はこちら)によると、今秋公開される『サイボーグでも大丈夫』は、「客観と主観の絶対的真理を巡る葛藤」「個人の主観が物理事象を変えうる、という量子力学ネタを加味したような内容」だそう。哲学的・観念的な色彩が色濃く出ている作品のようですが、この『パク・チャヌクのモンタージュ』のエッセイの中にも「非常識」が「常識」化していく様が描かれたチャヌク作の寓話が紹介されていたりで、『サイボーグ』&チャヌク理解には欠かせない一冊になりそう。日本ではどうしても復讐シリーズのイメージが強いですが、もっと守備範囲の広い人物であることもよく分かります。

 ところで、この『パク・チャヌクのモンタージュ』には、『パク・チャヌクのオマージュ』という姉妹本があります。こちらはパク・チャヌクが映画監督になる前、評論家として活動していた頃に出した本『映画を見ることの隠密な魅力』(1994)の改訂増補版。日本では『サイボーグ』の公開にあわせてひとまず『モンタージュ』だけが出版されますが、売れ行きが良ければ『オマージュ』も、となるかも知れませんね。(^^

  『キム・ギドクの世界 野生もしくは贖罪の山羊』に続く作家本。『サイボーグ』の公開は9月ですが、諸々の仕込みは静かに着々と進行中なのでございます。
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by seochon | 2007-05-28 02:59

SEO対策してますか?

 してません。(^^;

 「SEO対策」とは、検索エンジンで検索したとき、上位にヒットするような工夫・対策のこと。「韓国映画」をキーワードにして検索した場合、旧サイト「韓国映画とハングル」は、どこで検索しても1位または最初のページに表示されていたので、SEO対策なんて考えたこともなかった。

 サイトを現在の「シネマコリア」に移転してから2ヶ月ほど経過。検索エンジン大手のYahooとGoogleで、関連語としては最も親和性の高い「韓国映画」と、そのままずばりの「シネマコリア」の2つで検索結果を調べてみた。

 その結果は・・・

検索語「韓国映画」
 Yahoo 5位 旧サイト・トップページ

 Google 4位 旧サイト・トップページ
 Google 50位 新サイト・トップページ

検索語「シネマコリア」
 Yahoo 1位 旧サイト・映画祭のページ
 Yahoo 8位 現サイト・トップページ

 Google 1位 旧サイト・映画祭のページ
 Google 2位 現サイト・トップページ
 Google 3位 現サイトの映画祭ページ

 ※ 上位50位までチェック

 いずれも旧サイトの方が上位に表示されるという結果。特にYahooで「韓国映画」で検索しても上位に表示されないというのは、うまくないなー。どこで検索しても「韓国映画」が検索語なら最初のページに、「シネマコリア」が検索語なら1位に表示されるのが、理想。

 うーん、どうすればいいんだ? 教えてドラえもん。


 ちなみに、シネマコリアの本店サイトと、このブログのアクセス解析によると、5月の検索フレーズ・トップ10は以下の通り。

<シネマコリア本店サイト>
 1位 ウリハッキョ 映画
 2位 シネマコリア
 3位 ウリハッキョ
 4位 夢精期
 5位 韓国映画
 6位 映画 ウリハッキョ
 7位 キム ミンジョン
 8位 悔いなき恋
 9位 オクスタン
 10位 チェ・ミンス

<ブログ>
 1位 ウリハッキョ
 2位 ソチョン
 3位 チョン・テウォン
 4位 礼儀なき者たち
 5位 夢精期
 6位 浮気するのにいい日
 7位 ウリハッキョ 映画
 8位 チョン テウォン
 9位 杉野希妃
 10位 ホワイトライン 字幕

 うむ。「ウリハッキョ」強し。一般には知られていない作品を分厚く紹介すると、そしてその作品が上映され話題となると、やはり相応のヒットがあるようです。「夢精期」も同じ理屈。メジャーな映画もおさえつつ、シネマコリアでないと紹介できない作品を増やしていくのが、最終的にはSEO対策にもなるのかなー。


 その「ウリハッキョ」ですが、コメントで自主上映ブログを立ち上げたとのご連絡を受けました。

 「ウリハッキョ」自主上映・日本公式ブログ

 関心のある方は、チェケラッチョ!してください。6月に渋谷での上映が計画されているようです。求む!協力者とも。
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by seochon | 2007-05-26 13:33

四三事件、映画化

 『パッチギ!LOVE&PEACE』を見る。

 舞台は1970年代の東京。前作に続いて、在日の兄妹が主人公。我が子の病気を直すため奔走する兄、芸能界デビューする妹、そして戦時中、徴兵から逃れてヤップ島へたどり着いた二人の父親の物語が、ばらばらに進行しつつ最後に一本の糸へと紡がれていく。

 アンソンとキョンジャ兄妹は京都出身。父親は済州出身。1923年、済州・大阪を結ぶ定期便として君が代丸が就航した。そんな関係もあり、大阪の在日には済州出身者が多い。ちなみに、崔洋一監督の『血と骨』はこの君が代丸に乗って島民が済州から大阪へ移住してくるシーンから始まる。

 登場人物の台詞の中で、1948年に済州島で起こった「四三事件」についても、ちらりと言及されていた。四三事件は非常に複雑な事件で、詳述することは避けるけれども、簡単に言ってしまうと、解放後、右派と左派の政治闘争の中で発生した島民虐殺事件。難を逃れるために、日本にやってきた人も多いと聞く。

 アンソンとキョンジャの父親がどういう経緯で日本にやってきたのかは映画では描かれていない。が、想像をたくましくすると、戦中、徴兵を逃れてヤップ島へ、解放後済州へ戻るも、四三事件に遭い、君が代丸に乗って大阪へ、そして京都へ。こんな感じだろうか。


 済州島出身者を描いた作品がもう一つある。シネマコリアで配給している『まぶしい一日』の第一話『宝島』が、それ。監督のキム・ソンホは、在日二世のドキュメンタリスト梁英姫(ヤン・ヨンヒ)とニューヨークで同じ大学に通っており、非常に親しい間柄。彼女から聞かされた在日の話しをモチーフに作ったのが『宝島』だ。ちなみに、梁英姫は昨年劇場公開された『ディア・ピョンヤン』の監督。この作品、監督本人と朝鮮総連の幹部だった父親との和解を描いたドキュメンタリーなのだが、彼女の父親は済州の翰林(ハルリム)出身。そして、『宝島』は、日本人の女の子が、戦争中おじいさんが埋めたという宝物を探しに済州の「翰林」にやってくるというストーリー。

 翰林は、四三事件の虐殺現場となった土地でもある。翰林を舞台に映画を撮るということは、それすなわち、その映画は四三事件の追悼の意を込めて制作されていると解釈できるとも聞く。書籍版『ディア・ピョンヤン ~家族は離れたらアカンのや~』(梁英姫著、アートン、2006年)によると、梁監督の父親が日本にやってきたのは1942年頃。そして「解放後、なぜ済州島に帰らなかったのかも聞いていない(同書25頁)」そうだ。理由はいろいろあるだろう。けれど、四三事件の影響もやはりあったのだろうと思う。

 キム・ソンホは、故郷の済州へ帰りたくても帰れなかった在日に対するオマージュという意味も込めて『宝島』を作ったのだろう。元々の企画では日本語の台詞は「大阪弁」だったという。


 今年、光州事件や老斤里(ノグンリ)事件を描いた作品が製作・公開されている。前者はイム・サンスの『懐かしの庭』と、7月公開予定の『華麗なる休暇』。後者が『小さな蓮の池』。ちなみに、老斤里事件とは、朝鮮戦争のさなか1950年7月に起きた米軍による韓国民間人虐殺事件のこと。いずれも軍事政権下ではタブーとされていた韓国現代史の恥部だ。特に光州事件については民主化以降何度か映画化されている。が、これらに匹敵するほどの大虐殺事件だった四三事件についてはドキュメンタリーはあるものの、私が知る限りでは商業映画にはなっていない。それが、なぜなのか?という考察はひとまず置いておいて、『パッチギ!LOVE&PEACE』と『宝島』を見ていて思ったのは、四三事件を本格的に描いた映画が作られるとするならば、それは日韓合作で、在日が主人公になるのではないか?ということだ。
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by seochon | 2007-05-23 03:45

監督、呼びました?

 日曜、カツヲうどんさんのレビューをシネマコリアのウェッブサイトで公開する。今回のメイン・レビューは、崔洋一監督の『壽(ス)』

 最近無性にスクリーンで見直したいと思っている作品に『オールド・ボーイ』と『殺人の追憶』がある。どちらも劇場で見ているのだけれど、なぜかもう一度見たい。見直せば確実に新しい発見があるような予感がする。と、思っていたところに、『壽(ス)』のレビューの次の一節が目に飛び込んできた。
この作品が持つ感性は実質「日本映画」であり、監督&脚本の崔洋一もまた純然たる日本の監督である、ということです。(中略)かつて韓国映画では、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』が同じような個性の作品として成功を収めましたが、正直言って完成度、映画監督としての手腕は雲泥の差であり、『壽(ス)』の方が遥かに上です。

 いつもながら、竹を割ったようなカツヲうどん節。

 月曜、図書館で『文藝春秋』の6月号を読む。崔洋一監督の「韓国映画撮影記」なる手記が掲載されているのを発見。ふむふむと熟読。帰宅の途中、本屋で『キネマ旬報』の最新号を読む。ここでも『壽(ス)』に関連した崔洋一監督のインタビュー記事が掲載されている。ほほぅと立ち読み。家に戻るとKOFICが発行している英文誌『KOREAN FILM OBSERVATORY』のカンヌ映画祭特集号が配送されていた。なんと、ここにも崔洋一とパク・チャヌクの『壽(ス)』対談が掲載されている。偶然にしてはあまりにもよくできすぎている。

 崔洋一監督、ひょっとして呼びました?(^^;


 という冗談はともかく、『文藝春秋』の記事にいくつか面白い記述があった。

1.「予定調和になっている韓国映画界に新風を吹き込んで欲しい」との韓国側からの手紙に心打たれて仕事を引き受けた。
2.プロデューサーに会ってみるとまじめな感じのエリートなのだが、「どうも映画作りの現場を知らない臭いがする」
3.「ギャラは日本の二倍弱、成功報酬は配給収入の10%」

などなど。

 成功報酬が配給収入の10%ってスゴイですね。観客100万人動員で「成功」と仮定すると、韓国の平均映画鑑賞料金は6,000ウォンなので、興収60億ウォン。半分が配収として30億ウォン。その10%で3億ウォン。日本円にして3千万円弱。『グエムル』クラスのヒットになったら監督の成功報酬3億円弱ですねん。あくまで世界的にも有名な崔監督だからの契約条件で、ぽっと出の新人監督だったらこうは行かないと思いますが、日本と比べてかなりいいんじゃないでしょうか。

 また、シナリオ執筆の過程がなんとも笑える。ざっと概略を書くとこんな感じ。

 スタイリッシュなハードボイルド作品だったはずが、作家Aが書いた初稿は韓国情緒たっぷりの異常なまでの兄弟愛と復讐劇のサンドイッチだった。作家Bが共同脚本として参加し二稿、三稿とあがるも、どれもステレオタイプでダメ。全く別の作家Cから稿があがって来るも『キル・ビル』の剽窃。あきらめて、降板を申し出ると「監督が降りると出資金を全額、出資者に返還しなければならない」と泣きつかれ、結局書き下ろしに近い形でシナリオを自ら直した。。。

 韓国映画のクレジットを見ていると、「脚本」に大勢の名前が出ていることがありますが、かならずしも共同脚本ではなくて、色んな人の(全く異なる)色んな稿があり、そのどれかが採用されているケースもあるようです。『壽(ス)』もそんな一例なんでしょうか。

 キネ旬の記事には、現場のスタッフはすぐ辞めるが、補充はいくらでもいる。新人が頭角を現しやすい環境だが、悪く言うと使い捨て。ある程度経験を積んだスタッフがいないとマズイのではないか?といった指摘もあり、これまたいとおかし。


 崔洋一監督、話し手としても一流なので、『壽(ス)』上映の後、日韓映画製作の違いをテーマに、監督トーク2時間とかやったら、それはそれは面白いでしょうねえ。韓国映画界と共に日本映画界の問題点があらわになるはずです。そして本当の意味での日韓コラボのあり方、可能性が示唆されるはずです。どこかやってください!!!と珍しく他力本願。(^^;
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by seochon | 2007-05-22 02:11

理解者を増やす

 元・文化庁の寺脇研さんが上梓した『韓国映画ベスト100』(朝日新書)を読む。

 オビに寺脇さんが選んだベスト10が掲載されているのだけれど、第10位がなんと昨年シネマコリアで上映した『もし、あなたなら2 五つの視線』。ベスト10入りした作品で未配給なのはこれ一本ということもあり、心の中でををっ!と叫ぶ。この本、何部くらい印刷されているんだろう? 新書だし、一万部は刷っているのかな? 大手の書店だと平積みにされているから、これは結構なフリーパブ。残念ながら『もし、あなたなら2』は今現在日本で見られないのだけれど、替わりに第一弾の『もし、あなたなら~6つの視線』のDVDセル&レンタルが伸びないかなーとスケベ心を抱く。ええ、第一弾もシネマコリアの提供作品なんですよ。はい、見てない方は今すぐ見てくださいね。

 寺脇さんは2004年から毎年かかさずシネマコリアに参加されている。以前から何で2004年からなんだろう?と思っていたのだけれど、本を読んで疑問氷解。寺脇さんは2003年に釜山国際映画祭に参席、同年暮れあたりから韓国映画を見始めたとのこと。振り返ってみると2004年1月から韓国における日本大衆文化がほぼ全面解禁され、その年から東京ではイメージフォーラムで韓国インディペンデント映画が、ソウルではメガボックスで日本映画の上映会が文化庁の主催により開催されている。そんな流れの中でシネマコリアにも参加されるようになったのですね。

 ところで、新書をパラパラとめくってみると・・・ あるわあるわ、シネマコリア上映作品がたーくさん。写真付きのベスト100入り作品が6つ。写真なしで紹介されているのが7作品。ご覧になった作品で、全く触れられていないのは『品行ゼロ』だけかしら。いまだ未配給の作品も多いのに、こんなに紹介していただいて、ありがたいことです。

 意外なことに(?)シネマコリアで韓国映画にハマッタ映画評論家が何人かいる。在・名古屋の評論家、森卓也さんもその一人。昨年だったか、電話口の会話で1999年にシネマコリアで上映した『セサン・パクロ 外の世界へ』で韓国映画に目覚めたのだとおっしゃる。えー、そんなの初耳、そうならそうと早く言ってくださいよー、と思ったのだけれど、言われてみれば以前監督のヨ・ギュンドンが地方の映画祭に来日したとき、森さんもその映画祭に参加されていた。なるほど、そういうことでしたか。。。

 シネマコリアは韓国映画ファンが集う場所と思われていて、もちろんそれは間違いではないのだけれど、韓国映画ファンだけかというと案外そうでもなくて、シネマコリアで初めて韓国映画を見たという人もいる。去年は某アイドルがチケプレに当たって『もし、あなたなら2 五つの視線』を見に来ていたようだ(ご本人のブログにそう書いてあった)。シネマコリアで初めて韓国映画を見て以来ファンになりましたー、というようなカミングアウトをされることが時々あるけれど、これほど嬉しい話しはない。語弊のある書き方になるかも知れないけれど、一部のファンのために開催しているのではなくて、プロ&アマを問わず、韓国映画を見る人、上映する人を増やすためにやっているのだから。

 シネマコリアの作品はとりあえず全部見るというお客さんが相当数いらっしゃる。毎年作品をご覧になってすかさず分厚いレビューをブログにアップしてくださる方もいらっしゃる。シネマコリアは、ものすごいビッグウェーブを作り出すことはできないかも知れないけれど、韓国映画の理解者を増やすという意味では多少の貢献はできているのではないかと最近思うようになった。
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by seochon | 2007-05-21 01:42
 大阪の映画人に電話。

 先日、大阪で日本初公開された『ウリハッキョ』の話題になる。とにかくすごい人の数で、入場できない人が続出。大盛況というか大混乱だったとか。作品は一言でいって「青春物」。政治色はないわけではないけれど、それよりも爽やかな青春ドキュメンタリーといった趣が強いらしい。『まぶしい一日』もそんな雰囲気があったけれど、日韓もの、在日もの、いずれもそういう方向に向かっているんでしょうかねー。おっと、今日は『パッチギ!LOVE&PEACE』の初日。戦時の済州島も描かれているそうで、『まぶしい一日』の『宝島』のからみで気になっている。これは早いうちに見なくてわー。

 ところで『パッチギ!LOVE&PEACE』を製作&配給しているシネカノンの李鳳宇さんのインタビューが、今書店に並んでいる『キネマ旬報』(2007年5月下旬号)に載っている。シネカノンは、外国映画の配給からスタートして、製作・劇場興行までをカバーするようになったインディペンデント系の会社。ソウルの明洞でも映画館を経営している。ちなみに、シネカノンが劇場経営を始めたのは、大阪の第七芸術劇場が最初。今は経営母体が変わっているのだけれど、ナナゲイはシネマコリアの大阪会場として2004年から毎年使わせていただいている。先日は、元シネカノンのスタッフの方と名古屋でお会いした。どれもうすーくはあるけれど、最近何かとご縁がある感じ。

 『キネ旬』の記事では、李鳳宇さんが始めた映画学校が紹介されている。人材育成を始めたのは、良い作品を製作するのも配給するのも核となるのは人。自分たちのやってきたことを継承してくれる人を育てていかなければならないことに気づいたのがきっかけとか。このコメントには100%共感。

 シネマコリアも、自主上映から始まり、小規模な映画祭を全国展開する形に発展させ、作品によっては買い付け、配給もするようになった。シネカノンは、自前の劇場を経営し独自の配給網を構築する中で、製作・配給をやっている。シネマコリアは韓国映画を上映したい人のネットワークを構築する中で、ミニ映画祭・配給をやっている。規模は全然違うけど、目指している部分は似ているのかな?と思ったりもする。活動を拡大させる中で感じるのは、重要なのはとにかくヒト。どんなに小さな自主上映でも一人では開催できない。カネはなくともヒトさえいれば、なんとかなる。ヒトがいないと何も出来ない。今年はウェッブサイトを完全リニューアル。それ以外にも、ちょっとずつシネマコリアの組織を変え始めている。人を育てるなどと書くのはおこがましいけれど、色んな形でシネマコリアの仕事に関わっている方が、その仕事を通じて経験積み、今後の映画界に貢献してくれる人材に成長してくれたらなあ、とひそかにマジメに考えている。

 もう一つ。李鳳宇さんの「僕ももう年を取ったから、早く辞めたいんですよ」との発言に激しく同意(笑)。「辞めたい」というのは正確ではなくて、未配給の韓国映画を上映する枠組みとしての「シネマコリア」、形として出来上がった部分は、どんどん他の人に任せて、新しいことをやりたいなあと、ワガママなことを考えている。野望めらめら(眼が炎)。
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by seochon | 2007-05-19 16:57
 『まぶしい一日』第一話『宝島』に出演されていた杉野希妃さんからメールで近況報告をいただく。

 なんと! 4月から歌手活動に専念されているそうで、ただいまレコーディングに向けて準備中とか。いやんうっふん(はあと)な企画もあるそうで、楽しみでR。うしし。

 杉野希妃は芸名。本名ソ・ヨンファ。大学在学中に『猟奇的な彼女』を見て、これからは韓国エンタメね!と、アンニョンハセヨくらいしかしゃべれないのにいきなり渡韓。オーディションで『まぶしい一日』の第一話『宝島』に主演。本作でのクレジットはソ・ヨンファ。『まぶしい一日』がプレミア上映された2005年の釜山国際映画祭でキム・ギドクと知り合い『絶対の愛』にも出演。この作品でもクレジットはソ・ヨンファ。

 2006年春帰国。同年5月、シネマコリアが『まぶしい一日』の配給契約を結ぶ。ほぼ同時に杉野さんにもコンタクトを取り、以後プロモーションにご協力いただく。当時、日本での芸名は決まっていなかったので、シネマコリア2006のチラシでのクレジットはソ・ヨンファ。昨年7月、沢尻エリカらを抱える大手プロダクション、スターダストプロモーションに所属することが決まり、芸名が「杉野亜妃」に確定したとの連絡を受ける。NCWのチラシはそれを採用して「杉野亜妃」で出校。ところがその後「杉野希妃」に芸名変更。NCWのチラシは修正間に合わず。シネマコリア2006の簡易資料の印刷にはギリギリ間に合い「杉野希妃」とクレジット。といったバタバタな経緯で、シネコリのチラシは「ソ・ヨンファ」、NCWのチラシは「杉野亜妃」、シネコリの簡易資料は「杉野希妃」と三種類の表記になっている。たった一年前の話なのに。。。何もかも皆懐かしい by 沖田館長。


 名古屋では偶然『絶対の愛』が公開中。東京で見たけど、杉野さんからメールが来た記念にもう一回見ちゃおうかなあ・・・(*^^*)

 更に偶然なんだけど、今日はギドクのデビュー作『鰐~ワニ~』を見てきたところ。ビデオプロジェクターでの上映だったのだけれど、全体的に画面が暗くて(たぶん、プロジェクターの光量不足)大いに不満の残る上映。自宅に韓国版VHSがあったので、確認してみると、映像はもっとクリアでカラフルですらある。漢江の土手のコンクリートの壁面にはちょっとしたペインティングもしてあるんだけど今日の上映ではそれらが見えなかった。映像という意味での情報量はオリジナルの50~60%位しか出ていなかった感じ。また、台詞はアフレコじゃないかと感じる。『鰐~ワニ~』は1996年の作品。この頃だと同録は出来なかった作品があっても不思議ではない。たった10年前の話なのだけれど。。。この10年間の韓国映画界の劇的変化を再確認する。

 『鰐~ワニ~』を久しぶりに見直して、気になったことが一つ。なぜチョン・ムソンは、この映画に出演したのだろう? どういった経緯で? とてーも気になる。
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by seochon | 2007-05-17 02:50

あ、市山さんだ

 韓国の映画週刊誌『シネ21』のサイトをチェック。とある記事が目にとまる。

 先頭の写真、一番左が、キム・ギドクが唯一信頼する映画評論家チョン・ソンイルで、以下、映画アカデミー院長のパク・キヨン、シンガポール国際映画祭のフィリップ・チア、東京フィルメックスのプログラマー市山尚三さん、香港国際映画祭のLi Cheuk-Toと続く。

 記事は、今年から始まる映画祭、シネマ・デジタル・ソウル2007(7/20-27@CGV狎鴎亭)の記者会見の模様。「新しい作家、新しい映画、新しい文化の探求のため」、デジタル・シネマをフィーチャーするこの映画祭をスタート。門戸は世界に開かれていて、アジアの主要映画祭のスタッフをプログラミング・コンサルタントに指定。彼らから推薦を受けた世界各国の作品から招待作品を選定するという。市山さんもコンサルタントの一人に選ばれ、会見に出席されているわけだ。

 行ったことはないのだけれど、伝え聞くところによると、シンガポール国際映画祭では中東、インド、東南アジアなどの幅広い作品がラインナップされているという。ということは、東南アジアから中東にかけてはシンガポール国際映画祭が、中国語圏は香港国際映画祭が、そして日本は東京フィルメックスがカバー。地元韓国も含めて、全アジアエリアから新人作家を発掘しようというのが狙いか。。。

 記者との一問一答でチョン・ソンイルは、まずはソウルで開催するが、デジタル技術を駆使して、将来的に香港・東京・台湾・マニラなどでも開催するような形に成長できれば、という趣旨の発言をしている。発想が自由で大きいなあ。日本国内でちまちまやっている自分がイヤになる。(^^; アニョアニョ、出来ることを確実にやっていくのも大事ですー、とは思うものの、何かこう奇抜なこともやってみたいなあ。。。あはは。


 ところで、市山さんと言えば、初期の釜山国際映画祭で、「韓国インディーズ作家の夕べ」とでも題されたパーティに出席されているのをお見かけしたことがある。1998年とか2000年とか、それくらいの時期。当時、日本でも韓国映画が注目を浴び始めていたけれど、さすがに韓国のインディーズ・パーティに来る日本人なんていやしないだろう、と思っていたら、お二人いらした。一人が市山さん、もう一人が福岡アジア映画祭のディレクター前田さん。

 やっぱりちゃんとした人は、見るべきものを見、来るべき所に来ているなあと驚嘆したことを覚えている。

 ちなみに、市山さんはその後フィルメックスでリュ・スンワンの『ダイ・バッド ~死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか~』、ソン・ジェゴンの『見すぎた男』などのインディーズ作品を紹介。ソン・ジェゴンは昨年『甘く、殺伐とした恋人』で商業映画デビューした。前田さんは、福岡でイ・ソックンの短編『全人類に平和を』と彼のデビュー作『放課後の屋上』を紹介している。
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by seochon | 2007-05-16 02:13

はんぐる・まる

 公開中の『初雪の恋 ヴァージン・スノー』を見る。

 昨年から、言葉の通じない日韓男女が登場する作品を何本か見ている。コミュニケーションの取り方がそれぞれ違って面白い。

『初雪の恋 ヴァージン・スノー』
 男=韓国、女=日本
 ブロークンイングリッシュ→お互いの言語を学び始める→韓国語のウェイトが大きくなる。

『素敵な夜、ボクにください』
 男=韓国、女=日本
 主人公の友人に、両国語を解する男女がいてサポート。そのサブキャラも結ばれる。

『あなたを忘れない』
 男=韓国、女=日本
 原則日本語。

『まぶしい一日』第3話『空港男女』
 男=日本、女=韓国
 通じないはずなのに、自国語で話し、なんとなく通じている。


 こうやってみると『空港男女』は、かなりチャレンジングというか、特殊な映画であるなあと感じる。

 伝統的に日韓男女ものは、南男北女ならぬ、韓男日女なのだけれど『空港男女』だけ逆パターン。まさか日男韓女は『空港男女』だけ、ということはないと思うけど、他の作品を挙げろといわれると、ぱっと思いつかない。

 通じ合うはずがないのに、母語でしゃべり倒すというのも相当ムチャな話しだけど、空港での一夜という設定がうまい。これくらいならあり得るかも、と思える。長尺の映画だと恐らく持たないけれど、中編であるため飽きることなく見られる。

 他の作品は恋愛として成就してしまうけれど、『空港男女』は恋愛感情一歩手前。そういう対象として相手を見ているかどうかもはなはだ怪しい。未完なだけに観客が色々と想像する余地がある。お話しとして THE END ではなくて、まだ続きがあるような感じ。どのような物語を続けるかは観客にゆだねられている。時間的にも空間的にも広がりがある。そこに未来の日韓関係を見てもいい。



 ところで、『初雪の恋 ヴァージン・スノー』。宮崎あおいが見事なまでにパッチムに母音を追加して発音していて思わず微笑。韓国で公開されるときは、字幕が付いてしまうんだろうなあ。(^^;

 彼女の韓国語台詞で「はんぐる・まる 한글말」というのが出てきた。「韓国語 はんぐん・まる 한국말」の言い間違いか、それとも「ハングル語」のつもりで「はんぐる・まる」と言ったのか。私の空耳アワーかも知れないけれど、あの箇所は修正した方がいい。韓国公開時「はんぐる・まる」と聞き取れてしまった韓国人はきっと悲しむ。
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by seochon | 2007-05-16 00:22