「ほっ」と。キャンペーン

シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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 シネマコリアとも関わりのある、コミュニティシネマ支援センター&国際交流基金の活動をご紹介。

『地域における映画上映状況調査~映画上映活動年鑑2006』出版(コミシネ)

 2002年から文化庁の支援事業として実施されている、映画館・非映画館における上映活動の調査報告書。最新の2006年版が出版されました。一般の書店ではお求めになれません。購入方法、本の内容の詳細はこちらで確認願います。HPに書かれている要約は、昨今の日本の映画上映環境を知る上で一読の価値ありです。提示されている問題点を簡単にまとめますと・・・

A.シネコン増加&スクリーン数増加、年間入場者数もやや増加
B.公開作品数激増→作品間の興行格差拡大
C.ミニシアターの経営環境悪化
D.既存館の閉館、中心市街地の空洞化進行

 当初の「シネコンの登場により多様な作品(=選択肢)を観客に提供できるようになる」という予想がはずれ、一部の大ヒット作がスクリーンを占有して、むしろ「画一化」の方向へ向かっている、というのが一番大きな問題点。韓国も状況はほとんど同じですが、「入場者数は年々激増している(ただし今年は前年同期比マイナスなので、いろいろ危機説が出てます)」という点と、「既存館がシネコンにリニューアルされた関係で日本ほど市街地の空洞化は起こっていない」という二点が異なります。

 で、見たい物が見られない、見せるべき物がほっておいたら上映されない、という場合は、自力でなんとかしなさい(^^;、ということで次のようなプログラムが提供されています。


映画上映専門家養成講座「シネマ・マネジメント・ワークショップ」(コミシネ)

【講義とゼミ】全32コマを予定
【映画鑑賞+映画史講義】 全10回 各回1作品を鑑賞後、映画史の講義
【修了実習】2008年5月中旬にユーロスペースとアテネ・フランセで、受講生企画の修了上映会を実施

期間:2007/6/26~2008/3/18
授業時間:毎週火曜日19:00~21:00+月1回土曜日14:00~17:00
教室:映画美学校
募集人数:24人
授講料:157,500円

 上映者育成のための総合講座です。映画祭・上映会の開催、あとはコミシネ的ミニシアターの運営に主眼が置かれていますが、映画業界に関心のある方なら受講する価値はあるでしょう。この講座の特徴のひとつに、最後に実習として実際に映画祭・上映会を開く、というのがあります。リアルアラブ映画祭などがその例です。

 お値段は一見高いですが、講師陣がスゴイので、こういった方々とコネクションを作れるというだけでも十二分に元が取れます。シネマコリアは裸一貫叩き上げですが、昔からこんな講座があったら名古屋からでも受講しに通っていたかも・・・と思うくらい、充実の内容です。

 2005年の第3期講座の講座案内が映画美学校の「マネジメント講座」のページにありますので、具体的な内容はそちらを参照してください。ちょっと昔の案内ですが、基本はあまり変わらないはずです。

 受講希望の方はコミュニティシネマ支援センター(03-5562-9574)までお問い合せを。チラシを送ってくれるそうです。


英語字幕付き日本映画上映会(国際交流基金)

 最後に面白い上映会のご案内。

英語字幕付き日本映画上映会「日本クラシック、海外発信中!」
 5/25(金)~27(日)@赤坂区民センターホール
 『安城家の舞踏会』『二十四の瞳』『煙突の見える場所』
 『近松物語』『しとやかな獣』『女ばかりの夜』の上映+講演会

 シネマコリアは文化交流のため、未配給の韓国映画に日本語字幕を付けて上映していますが、その逆、日本文化を海外に紹介する活動をしている組織もあります。例えば今回紹介した上映会を主催する国際交流基金。ここは日本文化を海外に、外国文化を日本に紹介する活動を行っている方なら知らない人はいない、といっても過言ではない独立行政法人。シネマコリアも2年に1回ペースで助成金を頂戴しています(ありがとうございます)。

 今回の上映会、全作品英語字幕付きで外国人でも観賞できる(英語圏のパートナーがいらっしゃる方は是非!)というのに加えて、ちょっとオススメなのは、2004年までニューヨークの非営利団体ジャパン・ソサエティーで日本映画のプログラミングを担当していた平野共余子氏の講演があること。この方の著書『マンハッタンのKUROSAWA 英語の字幕版はありますか?』はジャパン・ソサエティーでの同氏の奮闘を記した物で、とっても面白いです。平野氏はアメリカで日本映画を紹介、シネマコリアは日本で韓国映画を紹介、という違いはあるものの、同じ志を持つ者としては大いに啓発され励まされた本でした。映画祭・上映会を開いているけど、最近ちょっとマンネリ、悩みも尽きない・・・と凹んでいる方は必読でございます。

 そーそーそーそー、私のやってることにはこんなにすごい意義があるのよ~~~とスーパーハイになれること請け合いデス(笑)。
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by seochon | 2007-04-30 22:00
 シネマコリアで字幕制作をお願いしているホワイトライン社が、「字幕制作スタッフ」を募集しています。詳細はこちら

 「字幕翻訳」ではありません。「字幕制作」です。

 といっても、字幕制作スタッフが実際にどのような仕事をするのか、よく分からない方も多いと思いますので、ちょっと解説します。

 字幕制作はだいたい以下のような行程で進みます。

0.クライアント(配給会社、映画祭など)が、台詞台本と作業用のビデオを用意する。
1.台詞台本とビデオを見ながら、翻訳者が「ハコ書き」をする。
2.字幕制作スタッフが「スポッティング・リスト」を作成する。
3.翻訳者が「字幕翻訳」をする。
4.字幕制作スタッフが字幕をビデオに「仮ミックス」する。
5.翻訳者とクライアントに「仮ミックス・ビデオ」が送られ、字幕制作スタッフも含めた三者で字幕をチェックする。
6.修正が済んだ時点で、「字幕データ」が完成する。

 『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』でも、「よく勘違いされるのですが・・・」と紹介されていましたが、翻訳者は台詞を聞き取りながら翻訳しているわけではありません。通常は、台詞を全部文字におこした「台詞台本」があります。この台本を元に、台詞のどこからどこまでを一枚の字幕にするのか、区切っていきます。これが「ハコ書き」という作業です。「ハコ切り」「ハコ割り」などとも呼ばれます。映画の字幕は、人間の可読スピードを考慮して、台詞1秒に対して4文字という字数制限があります。加えて、一枚の字幕は、一行あたり10文字×二行=最大で20文字という制限もあります。従って、どこからどこまでを字幕一枚分にするのかを決める「ハコ書き」はとても重要な作業で、うまい翻訳家は「ハコ書き」が上手と言われています。通常は、翻訳家が行いますが、スケジュールがタイトな場合は、字幕制作スタッフが「ハコ書き」しながら、「スポッティング・リスト(後述)」を作成することもあります。

 翻訳者から「ハコ書き」したリストが届くと、字幕制作スタッフがそれを元に、専用の機械で、「スポッティング・リスト」を作成します。「スポッティング・リスト」とは、一枚の字幕ごとに、その字幕が表示され始める時間(イン・タイム)と表示を終了する時間(アウト・タイム)、表示される長さ(デュレーション)を計測してリスト化した物です。

 字幕翻訳家は、この「スポッティング・リスト」を受け取ると「翻訳」を始めます。ある字幕のデュレーションが2秒半だったとします。その場合、4×2.5=10文字が翻訳で使える文字数になります。

 翻訳が終了すると、字幕制作スタッフが字幕を入れたビデオを制作します。これを「仮ミックス・ビデオ」といいます。仮ミックス・ビデオを元に字幕をチェック&修正し、クライアントからオーケーが出ると「字幕データ」が完成します。

 ホワイトライン社の仕事はここまでです。実際にフィルムに字幕を打ち込んだりする作業はまた別の会社が行います。字幕制作スタッフとは、書籍でいうところの編集者に近いポジションにあります。基本的にパソコンと向き合うデスクワークです。


 ところで・・・

 将来的には字幕の翻訳を手がけたいが、何をどうすれば字幕翻訳家になれるのか分からない、という方は、まずは字幕制作スタッフになるという手があります。字幕制作スタッフは字幕制作のなんたるかを全て経験することが出来ます。プロの翻訳家のテクニックにも身近に接することが出来ます。クライアントとの関係も築けます。業界の内部情報も入るようになります。『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』の著者、太田直子氏もプロフィールに「映画の自主上映団体や字幕制作会社でアルバイトをしつつ」と書いてあるので、字幕制作スタッフの経験をお持ちではないかと思います。
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by seochon | 2007-04-29 16:15

記憶に残る手紙

 帰宅すると「シネマコリア代表」宛の封筒が一通。見知らぬ女性から。いやん、ファンレターかしら?(^^;と思って開けてみると、シネマコリア2007のリクエストだった。

 3枚の便せんにわたって直筆で思いの丈が綴られている。シネマコリアのリクエストは何年か前から受け付けているけれど、郵政省の直訴メールはこれが初めてだと思う。古典的なツールだけに逆に新鮮で、これまた印象に残る。ワープロ書きだったらまた違うのだろうけど、手書きというのがまたなんとも格別。

 振り返ってみるに、最近なんでも電子メールで済ますことが多い。元々電話をあまりしない人なのだけれど(携帯はほとんど着信専用マシンと化している)、電子メールを使うようになってから更に電話をしなくなったような気がする。郵送物もほとんどワープロ書き、宛名もラベルに打ち出すことが多い。便利さに甘えているなあ。TPOにあわせて直筆郵政省メールも使わなきゃ、と深く反省。

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 Wさん

 ご丁寧にお手紙ありがとうございました。ご推薦の作品は今週月曜日に見ました。途中たるいところがあるのと、ラストのテロップがくどい気もしますが、総体的にみていい映画だと思います。

 本編もさることながら、オープニングの88オリンピックの再開発で貧民街が強制撤去されるシーンが記憶に残りました。こういう画はドキュメンタリー(*)ではよく描かれるのですが、ドキュメンタリーだと見る人が限られる。数的に限られるのに加えて、人種的にも限られる。本当に一部の人しか見ない(見られない)ので、こういうエンターテイメント作品を通して一瞬とはいえ、多種多様な観客にオリンピックの裏側で行われたことを知らしめるのは意味のあることだと思います。
(*) 例えば、オリンピック再開発そのものずばりを描いたドキュメンタリーに『上渓洞オリンピック』(1988)がある。『送還日記』、『もし、あなたなら2~五つの視線』の最終話『鍾路、冬』のキム・ドンウォン監督作品で、山形国際ドキュメンタリー映画祭上映作。

 また、こういったシーン&テーマは、昔の韓国商業映画ではしばしば見られたのですが、最近では少数派になってしまったので、その意味でも価値があると感じました。

 以上が初見の印象です。

 ちなみに、この作品はあるビデオメーカーの社長さんもお気に入りです。日本に紹介したいけれど、商売にはなりにくいし、背景を知らない日本人にはちょっと難しい映画かも、とおっしゃってましたが、私が見た限りでは日本人だから理解が難しいということはないように感じました。(分かりやすく書くと)金持ちはトクをする、というのは資本主義の世界では大なり小なり存在する共通事項ですから。

 さて、このように書くと、かなり期待をされると思いますが、(シネマコリアに限らず)この作品が今後どうなっていくのか、現時点ではまだ何とも申せません。しかしながら、Wさんのお考えとお気持ちはしかと心に留め置きます。

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 あ、また、電子媒体で伝達してしまった。。。反省の反省。反省の無限連鎖。ずぶずぶずぶ。。。
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by seochon | 2007-04-27 01:31

記憶に残るメール

 関西の有名大学の学生さんからメール。韓国に関わる仕事に就きたいという。シネマコリアの来年度の採用情報についての問い合わせ。

 こういったメールは年2・3件あるのだけれど、これまではだいたい秋口だった。内定が出始めるこの時期の問い合わせは初めてかも知れない。こういうところでもHPリニューアルの効果が現れているのだろうか? それとも売り手市場となりつつある昨今。希望する職業を求めて学生さんの側がより入念にリサーチをするようになっているからか?

 ちなみに、シネマコリアはボランティアベースの非営利団体。今のところ有給の常勤スタッフはいないし、来年度の採用計画もないことをお返事にしたためる。すると、すぐに礼状が返ってきた。

 質問する側は結構気楽に問い合わせをする。答える側はあらゆる状況を想定して、質問の数倍に及ぶ長いメールを返すことが多い。回答をもらったら、質問した側はなんらかの形で感謝の意を伝えるのが礼儀だと思うのだけれど、案外これをやらない人が多い。そういう場合、せっかく長いメールで返したのに礼のひとつもなしかよ、うきっーーーっ!と怒ったりする、、、ようなことはなくて(そんなことで怒っているほど、こちとら暇ではない)、そういう問い合わせの主は一瞬にしてメモリーから削除される。

 逆に、きちんとした礼状メールが返ってくると、おっ、ということで印象に残る。というわけで、Hさん、あなたの名前は覚えました。今回はご縁がなかったですが、またいつかどこかで何かのお仕事でご一緒することもあるでしょう。その時を楽しみに待っています。

 私も韓国映画を上映するために色々な人に問い合わせをする。お願いをする。提案をする。話しがうまく進むこともあれば、なかなかこちらの思うようにいかないこともある。条件が合わず、うまくいかないからといって、悲観したり怒ったりしてはいけない。ご縁を結んでおけば、それが将来どこかで実を結ぶ。ご縁を結ぶためには記憶に残らなければならない。
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by seochon | 2007-04-27 00:03
 日曜日の朝刊、書評欄で、気になる本を発見。さっそくamazonでポチッと注文。恐ろしいことにその日の内に発送され、月曜日には宅急便で到着してしまった。翌火曜日、通勤電車の中で読む。内容の面白さもさることながら、読みやすい文章であっという間に読了。本の存在を知ってから読み終わるまで3日とかからず。Time is money. 時は金なり。パルリパルリ。ほほっほー(意味のない雄叫び)

 発送が早いには訳がある。初版第一刷が2/20、第二刷が3/15。かなり売れている本。書籍データは以下の通り。

『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』
 太田直子 2007年 光文社新書

 映画ファンなら、この方の名前を見ればぴーんと来るはず。字幕翻訳家の太田直子氏が字幕翻訳を通して感じた日本語エトセトラ。読みやすいには訳がある。普段から限られた文字数に最大限の情報量を盛り込み、無駄な日本語を一切使わない字幕を作っている方なので、文章がリズミカルかつ歯切れが良いのだ。字幕の話しもあるけれど、日本語の話しがメインといっても過言ではない。ほとんどの方は、字幕翻訳家=外国語に堪能と考えているでしょうけど、それは一面正解、一面不正解。字幕翻訳家にとって一番大事な能力はなんといっても日本語。

 韓国映画の字幕を作る方法には4つある。

(1)韓国語を、韓国語の字幕翻訳家が翻訳
(2)韓国側が準備した英語字幕を元に、英語の字幕翻訳家が翻訳
(3)(2)を韓国語に詳しい人物に監修してもらう
(4)韓国語の翻訳家が日本語に全訳し、その日本語を元に(太田氏の用法を借りると)字幕屋が文字数を刈り込む

 ほとんどは(1)、ときどき(2)(3)があるというのが現状だけれど、(4)の方法を取れば字幕屋に外国語の能力は全く必要ないことが分かるだろう。韓国映画ではないけれど、(4)の方法で最終的に詩人に字幕を作ってもらったケースもあると聞く。これはなかなかチャレンジングかつ有効な方法かも知れない。どちらも、限られた文字数の中により多くの情報を適切な日本語を使って表現する、読者に行間を読ませる文章を書く仕事だからだ。実際には費用も時間もかかるので(4)の方法はほとんど使われることがない。よって、字幕翻訳家=外国語に堪能というイメージが作られるわけだけれど、究極的には、字幕作成に必要なのは日本語の能力であって外国語の能力ではない。暴論かも知れないけれど、ハングル検定3級程度の能力があれば、あとはやる気の問題で誰でも字幕翻訳はできると思う(ぎゃー、全国の韓国語字幕翻訳家を敵に回したかも^^;)。とはいえ、字幕ほど日本語のセンスの差が出る物もない。翻訳が出来るのと、それが商品としての価値を持つというのはまた別の話(と、さっそくフォロー)。

 そんなわけで、太田直子氏の本が字幕の本というより、日本語の本になっているのはとても理にかなっている。内容は、句読点の使い方、「!?」マークの使い方、ルビの使い方、言葉遣いの使い分け、禁止用語の取り扱い、クライアントの配給会社とのやり取り、などなど。読んでいてふみふみと納得するところ多し。シネマコリアも字幕翻訳家からするとクライアントなので、たらーりと冷や汗を流す箇所も。ぶっちゃけな裏話もかなり多い。この本、読んで一番楽しめるのは恐らく字幕翻訳家ですネ。がっはっはっと笑う箇所あり、そーそーそー!と同業者として怒りを共有するところあり、なはずです。


 帰宅してメールをチェックすると、シネマコリアでいつも字幕制作をお願いしている会社の社長から「求人告知をお願いしたいのだけれど」との連絡あり。これは字幕の神様が私を呼んでいるねと直感(ただの勘違い)。以前から機会があったら書こうと思っていた字幕についてのエトセトラをブログで書こうと思い立つ。

 というわけで、連載物のタイトルにしてみました。多分、不定期に書きます。
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by seochon | 2007-04-25 02:26
 いつも巡回ルートに入れているブログに「映画コンサルタント日記」があります。映画業界のリサーチをしている方の興行分析コラム。韓国とは違って、興行成績の詳しい数字が一般向けには公表されない日本。このブログを読んでいると全部ではないにせよ、重要な作品の数字の動きがだいたい分かって重宝しています。韓国映画の記事もそこそこありますし。

 先ほどこのブログをチェックしているとフランス映画祭の記事が目にとまりました。数字の部分だけ転記すると・・・

フランス映画祭2007
 3/15~3/20まで3都市5会場で開催
 長編16作品+短編集=17プログラムを合計47回上映
 動員9,543人
 メイン会場TOHOシネマズ六本木ヒルズ 20回のうち17回が完売 平均着席率83%強

 ふーむ。フランス政府から日仏の映画業界から総出をあげてのビッグイベントで、有名俳優もじゃんじゃか来日&サイン会も開催。頭に国名が付く映画祭(ex.ドイツ映画祭、イタリア映画祭etc)の中でもナンバル1の規模と格を持った映画祭、と認識していたのですが、動員数はびっくりするような数字でもないのね、とちょっと意外な気が。

 昨年のシネマコリアを全く同じ書式で書くとこうなります。

シネマコリア2006
 8/5から9/18まで6都市8会場で開催
 長編6作品+短編1作品=計7プログラムを合計29回上映
 動員5,238人
 メイン会場イイノホール 6回上映中、完売なし 平均着席率76%強

 数字がだいたいダブルスコアになっている、また1万人近い動員を達成できているのと、そうでないのとでは、全然意味が違うというのは重々承知のうえですが、かたや政府の肝いりで予算も潤沢(に違いない)、かたや民間の有志が財政基盤ゼロでやっている手作りイベントということを考えると、シネマコリアって結構大したもんじゃないのかしらん?とふと思ったりするわけです(←誰も言ってくれないので自分でイッチャッター^^;)。


 話しは変わりますが、昨年、イイノホールの最終回で、とあるお客様から「今年はチケット売り切れがなかったですねー」といかにも残念そうな口調で話しかけていただきました。いやはや、お客様に動員を心配していただくなんて恐縮至極。大変ありがたいお話しで、我々ももちろん完売目指して宣伝を頑張っている訳なんですが、ただ、完売しなかったから残念といった感覚はあまり持っていません。

 チケット完売続出で当日もぎっしり満席大盛り上がり、というのは映画祭としてひとつの好ましい状況ではあります。もし、そういう雰囲気を演出したいのであれば、それはとても簡単で、草月ホールやヤマハホール、ヤクルトホールなど、イイノホール(700席弱)よりちょっと座席数が少ないホールを使えばいいのです。これらのホールは500席くらいですので、昨年のシネマコリア2006で上映した長編映画6本で言えば、『拍手する時に去れ』 『ミスター主婦クイズ王』 『ケンカの技術』の3本は完売、残りの『愛してる、マルスンさん』 『まぶしい一日』 『もし、あなたなら2 五つの視線』は売り切れにはなりませんが、二階席を締めて一階席だけ使うなどすれば、一階はやはり満席になります。

 ただ、そうなるとチケット発売情報をいち早くゲットできた方は映画が見られるけれど、そうでない方は見られなくなる、ということになります。今年のフランス映画祭のように上映作品のほとんどに配給が付いていて、後日また劇場公開されることが決まっているのでしたら、お客さんも納得されるかも知れません。また、「ほにゃらら映画祭でチケット完売!」といったパブリシティが出るのはその映画にとってもその後の広報上プラスかも知れません。けれど、シネマコリアの場合は、未配給作品を上映しているので、このチャンスを逃すともう見られないかも知れない。。。

 昔、草月ホールで開催したとき、こんなことがありました。千葉のそれもかなり遠いところからいらした老夫婦。残念ながらお目当ての作品のチケットは一ヶ月前に売り切れていて、こちらとしては入場をお断りするしかありません。完売したことはHPに掲載してあります。が、全ての人がHPをチェックしているわけではありません。事前に電話でお問い合せいただければ、完売したことはその時点でお伝えできます。が、全ての人がチケットが残っているかわざわざ問い合わせるわけではありません。その老夫婦。旦那様のほうはどうしても見たい、と未練ありありのご様子でしたが、奥様になだめられ肩を押されるようにして帰宅の途につかれました。その風景は今でも脳裏に焼き付いています。

 実は私自身、前売り券をほとんど買いません。なので、この老夫婦の行動は結構理解できます。以来、チケットが完売することが企画の段階で予想できるのなら、より大きいホールで開催するほうが良いのではないか? その方がより多くのお客様にご覧いただけて作品にとってもプラスでは?と考えるようになりました。

 そして、ここ2年ばかりはイイノホールを使っています。
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by seochon | 2007-04-22 16:20
 「シネマコリアに上映作品のリクエストをしたいのですが・・・」というコメントを頂戴しました。

 ご覧になりたい韓国映画または関連映画がありましたら、この記事にコメントをお願いします。

 シネマコリアで上映して欲しい、というよりも、単純に「これが観たい!」ということで書いていただければと思います。HPにせよ、このブログにせよ、配給会社や映画祭関係の方々もご覧になっていると思いますので、なんらかの形でアピールしておくのはムダにはならないでしょう。昔、HPで、投票形式で上映希望作品のリクエストを募ったところ、ぶっちぎりの1位と2位が別の映画祭で上映された、ということもありました。

 書き込まれる際は、なぜご覧になりたいのか、その理由も書かれるとモア・ベターかと思います。
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by seochon | 2007-04-20 14:18

ゴニ&ゴリ

 『まぶしい一日』の第三話『空港男女』。

 日本語ができない韓国人の女の子と、韓国語ができない日本の男の子を主人公にしたラブコメディ。二人の分かってそうで分かってない、通じてなさそで案外通じている、その不思議なやりとりが魅力。

 韓国人の女の子の名前を「オ・ゴニ」という。劇中、自分の名前を言ったら日本の男の子が「オ・ゴリ?」と間違えて聞き取り、「人の名前を間違えるなんてサイテイ!」とプンプンするシーンがある。韓国語をちょっとかじっている人は、ここでニヤッとしたはず。

 韓国語では、子音の「n」が「r」に、そして「r」が「n」に発音が変わることがある。前者の例が「新羅 신라」。「新羅」という漢字のハングル表記をそのまま発音すると「しんら」だが、実際には「n」が「r」に変わって「しるら」と発音する。そして、後者の例が「心理 심리」。「心理」という漢字のハングル表記をそのまま発音すると「しむり」だが、実際には「r」が「n」に変わって「しむに」と発音する。

 初学者の方が、韓国語学習でつまずく最初のハードルがおそらくこの「発音の変化」。だが、難しく考える必要はない。なぜ、発音が変わるかといえば、そう発音したほうが楽だからだ。ちなみに「n」と「r」は口の形がまったく同じ、舌の動きもよく似ている。外国語を勉強するときは、口を大きく開けてはっきり大きな声で発音するとよい。

 さあ、皆さんも恥ずかしがらずにご一緒に。はな、とぅる、せっ。

 「お ご に」 「お ご り」

 「に」も「り」も口の形は全く同じ、舌の動きもほぼ同じ。違うのは、「n」は舌先を上あごにちょっと付けてすぐ離すのに対して、「r」は舌をちょっと巻いて上あごにぶつける。いわゆる巻き舌をしているかしてないかの違いでしかない。「n」という子音を表す「ニウン ㄴ 」と「r」を表す「リウル ㄹ 」の形の違いはべろが巻いているか巻いてないかの違い。巻き舌を弱めると「おごり」は「おごに」に近くなるし、巻き舌をちょっと強めると「おごに」は「おごり」に聞こえる可能性が高くなる。

 だから、塩田さん演じる日本人のへなちょこ君は、論理的に正しく(?)聞き取り間違えをしていることになる。


 ところで、『まぶしい一日』のエンド・クレジットを注意深く見ると、『空港男女』のスタッフにオ・ゴニさんがいるのが分かる。うーん、実在してたのね、オ・ゴニちゃん。ご両親は映画を見てさぞかし驚いたことでしょう。自分の子供の名前が主人公になっているんだから。

 オ・ゴニは漢字でなんと書くんだろう? 오건희 はよくあるけど、오고니 というハングルの並びはあまり見かけない。最近流行の漢字で書けない、ハングルでしか書けない名前なのかなあ。リアル・ゴニちゃん。どんな人なのか気になる。気になる。

 教えてドラえもんならぬ、教えてあんどうさん状態(笑)。
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by seochon | 2007-04-19 18:25
■ ムフフ、オホホ、イヒヒ

 東京より来客。

 名古屋駅で待ち合わせ。いつもとは趣向を変えて、最近オープンしたミッドランドスクエア1Fのトヨタのショールームで集合。ちょっと早めに着いたので、ショールームの中を散策。すると、万博トヨタ館で人気を博していた、一人乗りの未来型乗り物、なんという名称か知らないけれど、CMでミキティが乗りこなしていたヤツの本物が展示してあるのを発見。思わず分解してみたくなる。

 そうこうしている間に客人到着。地下一階のオーガニックなカフェでミーティング。晩夏から秋口にかけて開催が計画されている映画祭についてブレインストーミング。あれこれアイディアを出す。こちらからもムフフな提案をいくつか。ところで、この映画祭、なかなかオホホでイヒヒな内容。開催はほぼ決まっていて、早ければ来月にも概要が公表されるという。


■ まぶしいポレポレ

 4/15、東京にて『まぶしい一日』の上映会が開催された。その主催者の方からご丁寧な報告をいただく。シネマコリアで見て、今回また見にいらしたリピーターがいらしたそうだ。同じ映画を2回以上見るというのは余程のこと。相当気に入っていただけたに違いない。ウレシイ。何もしてさしあげられませんが、2度ご覧いただいたアナタ様には私の愛を差し上げます。いらない? まあ、そうご遠慮なさらずに。

 また、とあるお客様からは「ポレポレ東中野あたりで劇場公開すれば? いろんな人ゲストで呼んでトークイベントやれば面白いと思う」とのご意見をいただいたとも。「はい、そのようにいたします」とスッと答えられない自分が情けない。まだまだ力不足。日々是精進。ちなみに、ドキュメンタリーの『あんにょん・サヨナラ』はポレポレで2週間、昼興行を打っていた。『まぶしい一日』だったら、レイトで2週間か、モーニング&レイトで1週間といったところか。収支シミュレーションなど簡単にしてみる。うーん。。。


■ うり・はっきょ

 所用で『우리 학교 私たちの学校』のプロデューサーにメール。記事「鉄は熱いうちに打て」にコメントしてくださった inmi さんがこの作品を絶賛のうえ(詳細はこちら)、日本上映予定を知りたい、と書かれていたのを思いだし、それについても問い合わせる。

 『私たちの学校』は北海道の朝鮮学校を撮ったドキュメンタリー。製作の過程が過程だけに、なんらかの形で日本でも上映されるのは確実だろう。そんなに出来が良いのなら配給も付くかも知れない。よしんば付かなくとも、今年は山形ドキュメンタリー映画祭もあるので、その辺で上映される可能性は高いのではないかしらん。

 ほかにも韓国人が撮った在日のドキュメンタリーにちょっと面白そうな作品がいくつかある。特集してみるといいかも知れない。『ウェディング・キャンペーン』もそうだけれど、在外同胞を描いた作品が最近増えている。昨年シネマコリアで上映した『もし、あなたなら2 五つの視線』のキム・ドンウォン作品『鍾路、冬』もそうだった。
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by seochon | 2007-04-19 01:02

名古屋タワー

 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を見る。

 流行物に冷たい、天の邪鬼なものだから斜に構えて見始めたのだけれど、途中から居住まいを正して見てしまった。

 なかなか言葉でこの映画の良さを伝えるのは難しい。韓国映画でいえば『八月のクリスマス』っぽい映画。派手さは全くない。地味の一言。ストーリーはなんてことない。よくある親子物。シナリオが良いかと聞かれるとあまりそんな気もしない。しかし、小さなエピソードひとつひとつが積み重なっていき、ある臨界点を突破すると、劇中の出来事すべてが自分が体験したことであるかのような錯覚に陥り、話しの中にのめり込む。泣く、笑う、そして心に残る。俳優陣の演技力が問われる、そしてそれに見事に応えているのも『八月のクリスマス』と似ている。

 昨日、エンド・クレジットの話しを書いたが、この映画にはエンド・クレジットの後に、もうワン・シークエンス、テロップが流れる。こんなの初めて見た。中部地区でこの映画を上映している映画館とその支配人のリストがずらりと流れ、最後に「ご来場ありがとうございました。私たちもこの映画を応援しています」と出るのだ。名古屋地区だけなんだろうか? とにかく業界全体がこの映画を応援していることがクレジットからも伝わる。

 外に出ると、「オカンと登ろう! 名古屋タワー」という企画の張り紙が目に入る。シネマコリア名古屋会場で使っている栄の愛知芸術文化センター。その真ん前にあるタワー。俗に「テレビ塔」と呼んでいるのだが、「名古屋タワー」というのだそうだ。昔からそうだったのか、映画にあわせてそう表記しているのかは知らない。

 『東京タワー』、個人的な臨界点は、上京したオカンを慕ってボクの仲間が家に集まり、一緒に食事をするシーンだった。うちの母親も似た感じだから。帰宅すると、ビデオの操作の仕方が分からないと母親に尋ねられる。映画を見た後だから優しく接するかと思いきや、いつも通りぶっきらぼうに教える自分がいる。プチ親不孝。息子というものは、いつまで経っても母親に甘えているのだなと自覚する。母親の葬式のおりには、きっと泣く。オダギリジョーのように。

 普段なら、部屋の窓から、愛知万博会場近くに建てられた地デジ用の新タワーのネオンが見えるはず。だが、今日は雨で何も見えない。
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by seochon | 2007-04-17 02:13