シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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2007年 09月 16日 ( 1 )

 9/14に韓国から戻りました。ソウルでお世話になりました皆様、ありがとうございます。

 韓国は3年ぶり、というのは事前に分かっていたのですが、出国審査の時、パスポートを見直したら、外国自体3年ぶりでした。なんとも味気ない生活をしていたものです。出不精にも程がある。もうちょっと活動的にならなくてはいけませんね。

 今回は、ある映画研究家からの依頼で、彼の研究旅行のコーディネート、アテンド、ちょっと通訳などやってきました。備忘録的にまとめておきますと、今回ヒアリング調査したのは以下の4箇所。人名はインタビューに応じていただいた方々です。

韓国映画振興委員会
 アン・ジョンスク委員長
 キム・ヘジュン事務局長
 パク・トッコ国際振興チーム長
韓国映画アカデミー
 パク・キヨン院長(『モーテルカクタス』『ラクダ(たち)』監督)
韓国芸術総合学校映像院
 パク・セヒョン院長(ソウル国際漫画アニメーション・フェスティバル総監督)
 パク・クァンス教授(『もし、あなたなら~6つの視線』『まぶしい日に』監督)
韓国映像資料院
 チョ・ソニ院長
 チャン・グァンホン映像資源管理チーム長

 ここ数年、シネマコリアに皆勤参加していただいている映画評論家・研究家に中川洋吉さんという方がいらっしゃいます。フランス映画がご専門で、『生き残るフランス映画―映画振興と助成制度』『カンヌ映画祭』『カルチエ・ラタンの夢 フランス映画七十年代』といった書籍を出版されています。NHK-BSのカンヌ特集番組で常にコメンテーターをされているので、知らない間にそのお顔をご覧になっている方も多いかと思います。

 中川さんは、80年代から継続して韓国映画を見続けていらっしゃるのですが、昨年末、韓国アートフィルム・ショーケースのプロモーションで来日された映画振興委員会のアン・ジョンスク委員長にインタビューしたのがきっかけで、韓国の映画振興政策にも関心が出て、特にフランスの振興政策と非常に似ている部分に興味がわき(事実、1999年にそれまでの韓国映画振興公社が韓国映画振興委員会に変わったとき、キム・ヘジュン現事務局長はフランスの振興政策を入念に研究して韓国に応用して今の制度を作ったようです)、今回の研究旅行とあいなりました。フランスの映画振興政策、そしてそれを自国に応用して大成功した韓国を参考に、日本の映画振興政策をいかにしていくのかを考える、というのが目的となります。

 調査したからには、その成果を発表しなければならないわけですが、早ければ来月にも『映像新聞』の一面を全部使って、四回ものの連載をされる予定と聞いています。『映像新聞』は業界紙なので、なかなかお目にかかる機会はないかも知れませんが、図書館などには置いてある可能性もありますので、興味のある方は是非、探して読んでみてください。または短期購読も可能なようですので、掲載前後の回のみご購入いただくのもよいかも知れません。

 今回訪問した四つの団体は、これまでも個々に部分的に紹介はされてきていますが、振興・教育・保存団体をトータルで語るのは、今回が初めてかも知れません。また、映像資料院は今年5月に新しい建物に引っ越したばかり、映画アカデミーも3年前に引っ越し、昨年から制度もガラリと変わっています。また、芸術総合学校映像院も最近新しいキャンパスに引っ越していますので、この3つの施設&学校については、他では語られていない最新の情報を提供できるはずです。

 また、中川さんは日大の芸術学部で「映画助成制度」について教えてらっしゃるので、来年度の講義からは韓国の制度についても何回分か割かれるようになるはずです。大学の講義に研究内容が反映されるというのはとても重要なことです。というのは、講義を通じて次世代の若い人に最新の情報が引き継がれ、彼&彼女らが次なる研究活動を始めるかも知れないからです。日大の芸術学部に在学の方は是非、中川さんの授業を履修してみてください。

 講義に反映された後は、学会での発表、追加の調査&研究が続けられ、何年か後には、書籍としてまとめられることでしょう。一観客&読者の立場としては、数年後にならないとその成果を享受することができないというのは、ちょっと残念ですが、出版はそんな簡単にできることではないので、致し方ないですね。ちなみに、もし、日仏韓の映画振興制度の比較、日本への応用といったテーマに関心のある出版社の方が、この記事をお読みでしたら、ご一報ください。中川さんに中継して差し上げます。


 今回は、取材先のアポとりから、現地通訳の確保、旅行滞在手続きの一切など、担当させていただきました(研究主体は中川さんであって、私ではないです)。こういうのは初めての経験でしたが、韓国の各種団体は外部に対して非常に開かれているという印象を持ちました。韓国映画振興委員会には海外広報担当者がいて、その人にまず連絡したら、他の団体の担当者を紹介していただけ、担当者と連絡がとれたら、あとはメールのやりとり2~3回でスケジュール・フィックスという早さ。エブリバディ・ウェルカムというホスピタリティ精神も徹底されていて、午前中に取材が入っているところはたいていお昼をご馳走になり、最後にちょっとコーヒーでもとなり、10時に始まって終わるのは午後2時頃という密度の濃さ。これが初訪韓の中川さんは大感激、私も久しぶりに韓国の良さに触れられたような気がしました。

 あと、最終日の取材で、先方に日本語が出来るスタッフがいるというので、通訳を手配せずに行ったら、あまり頼りにならないレベルの方で、しょうがないので、私も部分的に通訳せざるを得なくなったのですが、これが100%ではないものの、案外形になったのは驚きでした。もともと知っている内容がいくつかあったのと、映画関連の専門用語が多いので、逆にそれを知っている私にとっては有利な通訳環境だったのだと思いますが、人間やればできるもんだと再確認。ギャラを頂戴するレベルになれるかどうかはともかく、もうちょっとトレーニングをつんで、ボキャブラリーを増やせば、なんちゃってボランティア通訳くらいはできるかも、ひさしぶりに語学学校とか通ってみようかしらん?と思いながら、帰国の途に就いた今回の旅でした。
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by seochon | 2007-09-16 14:50