シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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2007年 06月 08日 ( 1 )

 チャヌク本『パク・チャヌクのモンタージュ』の邦訳校正が、やっとこ終了。

 当初2・3日で終わると思っていたのですが、結局一週間以上かかってしまいました。理由は2つ。ひとつは翻訳者がどうも韓国語を母語とする方のようである、ということ。もうひとつは、パク・チャヌクが外国映画をとてーも引用するので、韓国語タイトル→英文タイトル→邦題といった調査&確認作業に素晴らしく時間がかかってしまったということ。

 あまりに手間がかかるので、途中何度も投げ出したくなりましたが(^^;、最後までやり通せたのは、ずばり内容が面白いからです。全体は、[第1部]エッセイ、[第2部]自作の撮影日誌やインタビュー、[第3部]外国映画のチャヌク・レビューの三部構成になっていますが、インタビューもチャヌク自らが執筆したもの(インタビュアーから質問事項を受け取って回答を自分で書く方式)なので、全編、パク・チャヌク本人が書いたと言ってよい本です。

 第2部ですが、『復讐者に憐れみを』と『JSA』に絞った内容になっています。チャヌクのフィルモグラフィーは、

『月は... 太陽が見る夢』
『3人組』
 短編『審判』
『JSA』
『復讐者に憐れみを』
 『もし、あなたなら~6つの視線』の短編『N.E.P.A.L. 平和と愛は終わらない』
『オールド・ボーイ』
 『美しい夜、残酷な朝』の短編『韓国編 cut』
『親切なクムジャさん』
『サイボーグでも大丈夫』

こんな感じになりますが、彼の作品の中で一番のヒット作『JSA』は実は異端な存在。ほかの作品は、非常に個性的でマスには受け入れられない可能性を秘めた「とんがった」作品(それをチャヌクはBムービー[B級映画]と呼んでいます)ですが、『JSA』だけは分かりやすく誰もが感動できるように作られた大衆的な映画(Aムービー)。BからスタートしてAにトライし、ふたたびBに回帰していく様が本人の言で語られる第2部はこの書籍の白眉で、作家チャヌクを考える上で、とても重要なパートです。

 『復讐者に憐れみを』が韓国で公開されたとき、あの『JSA』を作った監督の新作がこれ?といった論調が出ましたが、チャヌクの中ではある意味元に戻っただけで矛盾はないのですね。が、そうなると『JSA』の前の2作品も見たくなる、というのが人情でして、校正原稿を戻すとき、書籍発売のおり2作品のDVDを付録で付けてはどうか?と一筆したためたのですが、先ほど出版元から「むずかしいです~」とのお返事が(涙)。

 うーむ。ギドクの『鰐 ~ワニ~』『ワイルド・アニマル』に続いて、チャヌクの『月は... 太陽が見る夢』『3人組』も上映されないものか?と天に向かって祈ってしまったワタクシでした。(^^;

 チャヌク本、期待していただいていい内容だと思います。特に『復讐』が好きな人は購入必須です!
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by seochon | 2007-06-08 19:16