シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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韓国社会の「居心地の悪さ」

 明日から3日間、大阪の豊中で「第4回女たちの映像祭・大阪2009」が開催されます。

 オープニング作品は韓国映画『和気あいあい?』。

 女性監督チャン・ヒソンの2005年の作品です。


 女性労働者を描いた4本のオムニバスで、ガソリンスタンドで初めてバイトをする女子学生、上司から肉体関係を求められるパートタイマー、昔同僚からレイプされかかったのがトラウマになっている女性などが出てきます。最後の4話目で男性上司がちょっと発想を変えると、女性社員は働きやすくなるし、そういう会社は男性社員にとっても働きやすい、タイトル通りの「和気あいあい」とした会社になるよね、といったステキなメッセージが読み取れます。

 テーマは深刻でも、描き方はそんなに深刻じゃなくて、途中クスクス笑う感じの作風は、この監督の前作『唐辛子を干す』もそうでした。

 韓国でも劇場未公開のインディーズ作品ですが、なぜか(?)イ・ウォンジョンも出ています。演技的にちょっと彼だけ浮いてる感じがするのがナニですが。(^^; 演技が一番気に入ったのは、1話の女子学生役の女の子。最後の友達と通りを渡っていくシーンは、プチ『子猫をお願い』みたいな感じで Good です。

 映画はなんてことないシーンの連続ですが、それだけに男性陣の何気ない一言に女性陣が嫌な思いをしているんだなぁということに気づかされます。男性観客も一緒に和気あいあいと見ていただきたいものですネ。


 監督のチャン・ヒソンも来日します。

 シネマコリアが初めて日本未公開作に字幕を付けて上映し、韓国からゲストを招聘したのは2001年のこと。実はその第一号監督がチャン・ヒソンだったりします(上映作品は『唐辛子を干す』)。

 懐かしいなあ。。。

 チャン・ヒソンについては、忘れられない思い出があります。シネマコリアでの上映も無事終わり、バス停で空港行きのリムジンを待っていたときのこと。彼女はタバコを一服吹かしながらこう独り言をつぶやいたのでした。

 「ああ、日本っていいわー。こうやってタバコ吸ってても誰も何も言わない」

 今でもそうかは知りませんが、当時は2001年。韓国で若い女性が公衆の面前でタバコでも吸おうものなら、お年寄りがズカズカと歩み寄ってきて烈火の如く怒ったものでした。「他者とのかかわり合い」が希薄になっている日本人からすると、アカの他人に対してずけずけ物言いする韓国人がうらやましく感じられていたりもしたのですが、そういった濃密すぎる関係性が「住みにくさ」にもつながっている側面があるのだと気づかされた瞬間でした。

 そして、彼女が帰国した翌月、少女たちにとっての韓国社会の「居心地の悪さ」を描いた『子猫をお願い』が韓国公開されたのでした。

 あれから8年。彼女たちにとって韓国社会は少しは居心地がよくなったのか。監督に会う機会があったら聞いてみたいものです。


第4回女たちの映像祭・大阪2009
http://sisterwave.exblog.jp/
上映作品:『和気あいあい?』(韓国)、『ファンボさんに春が来た』(韓国)ほか12作品。

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by seochon | 2009-01-29 23:24