シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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プリントって何?

 一般にフィルムと呼ばれているものを、ギョーカイ用語(?)で「プリント」といいます。写真でL版プリントとか言ったりしますが、あのプリントです。なぜそう呼ぶのか?という理由はよく知らないのですが(^^;、撮影用フィルム、プリント用フィルムという言葉があるので、要するに原盤ではない複製物のことをプリントと呼んでいるのかな、と。間違ってたらツッコミお願いします~


 で、先日、ある作品のプリントが韓国から届きました。皆さん、本物のプリントって間近で見たことあります? という訳で、初めて写真のアップロードに挑戦!
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 これが韓国から国際宅急便で届いた荷物です。側面にハングルが書いてありますね。箱の上面が異様に盛り上がってますが、これは5巻用の箱にむりやり6巻入れて送ってきたからです。アバウトですね~ ケンチャナヨ~
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 テーピングでガチガチに固められた箱の上部をカッターで切り取って開いたところです。中にプリントの入った銀色のケースが見えますね。ちなみに箱の四隅に空間が空いてます。中の荷物が輸送中に動かないように、日本人はこういう空間に新聞紙などを詰めます。でも、韓国の方はそんなことはいたしません(というよりそんなことするのは日本人くらいかも)。隙間空き放題です。アバウトですね~ ケンチャナヨ~
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 箱の中に入っているケースを取り出したところです。全部で6巻あります。映画のプリントは120分ものですとだいたい全長12,000フィート、約3.5キロくらいになります。これを同心円状にぐるぐる巻いていくと直径がとんでもない大きさになって、とっても持ち運びに不便。そこで、2,000フィートくらいで切って、リールに巻き付けていきます。そうすると、ちょうど片手で持ち運びできるサイズの円が出来上がります。それがこれ。ケースのふたを開けたところです。
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 これで一巻です。上映時間でいいますと20分くらいになります。120分ものの映画ですと六巻、100分ものですと五巻になりますね。

 ちなみに、五巻または六巻に分割されたプリントをどのように一本の映画として上映しているかというと、再度一本につなぎ直してから一台の映写機で上映する方法と、2台の映写機で一巻ずつ切り替えながら映写する方法の2つがあります。今時のシネコンは前者、試写室やホールなどは後者がほとんどです。シネマコリアで使った会場で言うと、キネカ大森は前者、イイノホールは後者です。


 プリントが到着したときは常に緊張します。プリントは世界中の映画祭を巡回しています。日本人はこういった上映素材を非常に丁寧に扱いますが、そうではない国のほうが圧倒的に多いので、本当に空けてビックリ玉手箱状態。あまりにも状態が悪く上映に耐えられないと判断される場合は、別のプリントを再輸入して差し替えなければなりません。実際そういうことは2度ありました。今回のプリントは随分と早めに送ってもらえましたが、作品によっては、開催一週間前に到着するものもあり、そういうプリントの箱を空ける際は、パンパン!と柏手を打って祈るような気持ちでふたを開けます。(^^;


 到着したプリント、書いてある文字は当然のことながら韓国語か英語。中味をチェックし終わったら、日本人にも分かるように、銀色の各ケースに邦題と何巻目かを書いた紙を張り、青い箱にもタイトルや各種フォーマットを書いた紙を貼り、梱包し直します。なにもそこまでやらなくても、と思われるかも知れませんが、これらの作業を怠ると、映写技師が間違えて、別の作品をかけたり、途中で間違った順番で巻をかけるといった事故が起こる可能性が高まります。実際にはそんなトラブルはほとんど起こりませんが、転ばぬ先の杖、ですね。

 今、このプリントは東京の現像所で「テレシネ」という作業を行っています。テレシネとはフィルムをビデオに変換する作業です。実際に上映するプリントを使って字幕作業用のビデオを作成するのです。これが終わると次はいよいよ字幕製作に入っていきます。
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by seochon | 2007-06-14 19:22