シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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完売&満席だけが能じゃない

 いつも巡回ルートに入れているブログに「映画コンサルタント日記」があります。映画業界のリサーチをしている方の興行分析コラム。韓国とは違って、興行成績の詳しい数字が一般向けには公表されない日本。このブログを読んでいると全部ではないにせよ、重要な作品の数字の動きがだいたい分かって重宝しています。韓国映画の記事もそこそこありますし。

 先ほどこのブログをチェックしているとフランス映画祭の記事が目にとまりました。数字の部分だけ転記すると・・・

フランス映画祭2007
 3/15~3/20まで3都市5会場で開催
 長編16作品+短編集=17プログラムを合計47回上映
 動員9,543人
 メイン会場TOHOシネマズ六本木ヒルズ 20回のうち17回が完売 平均着席率83%強

 ふーむ。フランス政府から日仏の映画業界から総出をあげてのビッグイベントで、有名俳優もじゃんじゃか来日&サイン会も開催。頭に国名が付く映画祭(ex.ドイツ映画祭、イタリア映画祭etc)の中でもナンバル1の規模と格を持った映画祭、と認識していたのですが、動員数はびっくりするような数字でもないのね、とちょっと意外な気が。

 昨年のシネマコリアを全く同じ書式で書くとこうなります。

シネマコリア2006
 8/5から9/18まで6都市8会場で開催
 長編6作品+短編1作品=計7プログラムを合計29回上映
 動員5,238人
 メイン会場イイノホール 6回上映中、完売なし 平均着席率76%強

 数字がだいたいダブルスコアになっている、また1万人近い動員を達成できているのと、そうでないのとでは、全然意味が違うというのは重々承知のうえですが、かたや政府の肝いりで予算も潤沢(に違いない)、かたや民間の有志が財政基盤ゼロでやっている手作りイベントということを考えると、シネマコリアって結構大したもんじゃないのかしらん?とふと思ったりするわけです(←誰も言ってくれないので自分でイッチャッター^^;)。


 話しは変わりますが、昨年、イイノホールの最終回で、とあるお客様から「今年はチケット売り切れがなかったですねー」といかにも残念そうな口調で話しかけていただきました。いやはや、お客様に動員を心配していただくなんて恐縮至極。大変ありがたいお話しで、我々ももちろん完売目指して宣伝を頑張っている訳なんですが、ただ、完売しなかったから残念といった感覚はあまり持っていません。

 チケット完売続出で当日もぎっしり満席大盛り上がり、というのは映画祭としてひとつの好ましい状況ではあります。もし、そういう雰囲気を演出したいのであれば、それはとても簡単で、草月ホールやヤマハホール、ヤクルトホールなど、イイノホール(700席弱)よりちょっと座席数が少ないホールを使えばいいのです。これらのホールは500席くらいですので、昨年のシネマコリア2006で上映した長編映画6本で言えば、『拍手する時に去れ』 『ミスター主婦クイズ王』 『ケンカの技術』の3本は完売、残りの『愛してる、マルスンさん』 『まぶしい一日』 『もし、あなたなら2 五つの視線』は売り切れにはなりませんが、二階席を締めて一階席だけ使うなどすれば、一階はやはり満席になります。

 ただ、そうなるとチケット発売情報をいち早くゲットできた方は映画が見られるけれど、そうでない方は見られなくなる、ということになります。今年のフランス映画祭のように上映作品のほとんどに配給が付いていて、後日また劇場公開されることが決まっているのでしたら、お客さんも納得されるかも知れません。また、「ほにゃらら映画祭でチケット完売!」といったパブリシティが出るのはその映画にとってもその後の広報上プラスかも知れません。けれど、シネマコリアの場合は、未配給作品を上映しているので、このチャンスを逃すともう見られないかも知れない。。。

 昔、草月ホールで開催したとき、こんなことがありました。千葉のそれもかなり遠いところからいらした老夫婦。残念ながらお目当ての作品のチケットは一ヶ月前に売り切れていて、こちらとしては入場をお断りするしかありません。完売したことはHPに掲載してあります。が、全ての人がHPをチェックしているわけではありません。事前に電話でお問い合せいただければ、完売したことはその時点でお伝えできます。が、全ての人がチケットが残っているかわざわざ問い合わせるわけではありません。その老夫婦。旦那様のほうはどうしても見たい、と未練ありありのご様子でしたが、奥様になだめられ肩を押されるようにして帰宅の途につかれました。その風景は今でも脳裏に焼き付いています。

 実は私自身、前売り券をほとんど買いません。なので、この老夫婦の行動は結構理解できます。以来、チケットが完売することが企画の段階で予想できるのなら、より大きいホールで開催するほうが良いのではないか? その方がより多くのお客様にご覧いただけて作品にとってもプラスでは?と考えるようになりました。

 そして、ここ2年ばかりはイイノホールを使っています。
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by seochon | 2007-04-22 16:20