シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


by seochon
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名古屋タワー

 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を見る。

 流行物に冷たい、天の邪鬼なものだから斜に構えて見始めたのだけれど、途中から居住まいを正して見てしまった。

 なかなか言葉でこの映画の良さを伝えるのは難しい。韓国映画でいえば『八月のクリスマス』っぽい映画。派手さは全くない。地味の一言。ストーリーはなんてことない。よくある親子物。シナリオが良いかと聞かれるとあまりそんな気もしない。しかし、小さなエピソードひとつひとつが積み重なっていき、ある臨界点を突破すると、劇中の出来事すべてが自分が体験したことであるかのような錯覚に陥り、話しの中にのめり込む。泣く、笑う、そして心に残る。俳優陣の演技力が問われる、そしてそれに見事に応えているのも『八月のクリスマス』と似ている。

 昨日、エンド・クレジットの話しを書いたが、この映画にはエンド・クレジットの後に、もうワン・シークエンス、テロップが流れる。こんなの初めて見た。中部地区でこの映画を上映している映画館とその支配人のリストがずらりと流れ、最後に「ご来場ありがとうございました。私たちもこの映画を応援しています」と出るのだ。名古屋地区だけなんだろうか? とにかく業界全体がこの映画を応援していることがクレジットからも伝わる。

 外に出ると、「オカンと登ろう! 名古屋タワー」という企画の張り紙が目に入る。シネマコリア名古屋会場で使っている栄の愛知芸術文化センター。その真ん前にあるタワー。俗に「テレビ塔」と呼んでいるのだが、「名古屋タワー」というのだそうだ。昔からそうだったのか、映画にあわせてそう表記しているのかは知らない。

 『東京タワー』、個人的な臨界点は、上京したオカンを慕ってボクの仲間が家に集まり、一緒に食事をするシーンだった。うちの母親も似た感じだから。帰宅すると、ビデオの操作の仕方が分からないと母親に尋ねられる。映画を見た後だから優しく接するかと思いきや、いつも通りぶっきらぼうに教える自分がいる。プチ親不孝。息子というものは、いつまで経っても母親に甘えているのだなと自覚する。母親の葬式のおりには、きっと泣く。オダギリジョーのように。

 普段なら、部屋の窓から、愛知万博会場近くに建てられた地デジ用の新タワーのネオンが見えるはず。だが、今日は雨で何も見えない。
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by seochon | 2007-04-17 02:13