シネマコリアの代表が、韓国映画と格闘する日々をつづります


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『大韓民国1%』のビジュアル戦略

 『大韓民国1%』のDVDが今月26日に発売されます。そのジャケ写が劇場公開時と違っていて面白かったので、ご紹介。

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 こちらが劇場公開時のメイン・ビジュアルです。主役の海兵隊チームの集合写真。『大韓民国1%』は軍隊をネタにした家族物といった趣もある作品でしたが、家族の絆や団結を表したビジュアルと言えるかも知れません。

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 そして、こちらが劇場公開時のチラシの表紙。さきほどの写真からイ・アイ扮するイ・ユミをトリミングして全面に押しだしています。宣伝戦略としては、イ・アイのプロモーションで既存の韓流ファンに情報をがっちり伝えた上で、作品の魅力&テーマ性を伝えることによってプラスアルファの層にも訴求する、といった感じに見えましたが、チラシのデザインもその方針に沿ったものになっています。

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 そして・・・ こちらが今回発売されるDVDのジャケット。

 ぜーんぜん違いますね。^^;

 レンタル市場はアクション好きの男性中心と言われています。ミリタリーファンも一定数いるでしょう。そういった層に訴えかけるために、タイトルに「海兵隊特殊捜査隊」という副題を付け、2枚の写真も戦闘シーンに変わっています。レンタルで客が目にするのはタイトルとジャケ写のみ。この2つを変えるだけで売上が全く変わるといいます。


 劇場とパッケージ(DVD・ブルーレイなど)では客層が異なるので、宣伝方法をガラリと変えるのは珍しいことではありません。一昔前だと、劇場公開時でも東京と大阪でチラシのデザインを180度変えることもあったといいます(観客の気質が異なるため)。

 以下のグラフからも分かるように、日本のパッケージ市場は2004/2005年がピークでその後は毎年縮小しています。中でも減少幅が大きいのがセルで、2005年には2,655億円だった出荷額が2010年には1,851億円と30%以上のダウン。

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 一方、レンタルは、近年レンタル価格の大幅ディスカウントによって出荷額は漸減していますが、<出荷数量>は2005年以降も増え続けています(出荷数量のグラフは今回は付けていません)。また、セルの出荷額の経年変化が大きいのに対して、レンタルは2010年の804億円を例外としてほぼ1,000億円前後で安定しているのが分かります。セルもレンタルも売上が落ちている事実は変わりなく、どちらも苦しいのですが、どちらかというとレンタルのほうがまだマシな印象。

 DVDストレートの作品ですが、『止められない結婚「劇場版」』は吉本興業の協力を得て(*)レンタルでパワフルにプロモーションした結果、相当な回転をしたといいます(その反対にセルの売上は全くふるわず)。既存の韓国・韓流ファンに頼って討ち死にするより^^;、レンタル市場で韓国・韓流に全く関心のない層にアピールして活路を切り開く。。。 『大韓民国1%』もそのような例の一つになるのかも知れません。

(*) 『止められない結婚「劇場版」』は、吉本興業の肝いりで開催されている沖縄国際映画祭で上映されています。
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by seochon | 2011-08-18 17:22